人との触れ合いが多く、飯も美味かった良い1日
宿は朝食付きでいくつかのテーブルに分かれている。すでに全てのテーブルに人がいるので少し迷っているとベルリンから来たイケメンが一緒に食べようと誘ってくれる。彼はイルン21日発でサンチャゴ20日着の予定と私とほぼ同じ工程で、この後は毎日のように会い、同じ宿になることも多かった。日本はなぜ伝統文化とアニメのようなポップカルチャーが共存できているのかと聞かれ、あまり深い回答ができず、英語力(教養も?)の低さを思い知る。
新しい人と仲良くなると気分も晴れる。そのせいか、この日は心身の調子良く順調に進む。巡礼路最後の週であるガリシア州に近づき、ガリシア州に多いオレオ(高床式倉庫)も初めて見かける。

10時すぎに着いた海と川に面したルアルカの街中は谷底のような地形で、街には坂を下って入り坂を登って出る。街中は入り組んだルートで道が分かりずらく、少し間違える。巡礼路から少し外れた所にカフェを見つけ、カフェコンレチェを飲んで店を出るとブルガリア人女性に再会。彼女も少し道を間違えたよう。これからカフェで小休止するとのことで一緒に入らないかと誘われたが、今出てきたばかりなので辞退すると、じゃあ追いかけるからまた後でとのこと。彼女は健脚なのでもしかしたら追いつくかと思ったが、何度も会った彼女を見かけることはこれ以降無かった。


今日のルートはルアルカ以降はずっと内陸を歩くことになる。昼頃に草原を歩いていると、この旅で最も激しい土砂降りと雷に遭う。雨はともかく雷は気持ちが悪いが、草原の田舎道は店はおろか雨宿りするような所も無い。幸い1時間ほどで雨も雷も止んでくれた。

空腹だったので13時半にコースを少し外れた所にあるレストランに入りMenu del dirを注文する。ネットでの評判は高かったが、久しぶりのボリューム飯で、スネ肉のシチューと鮎っぽい坂の塩焼きが美味しい。巡礼路で食べたスペイン飯の中では、これが一番うまかった。ワインも1本付き、ヨーグルトも付いていた。



いつもはMenu del dirは目的地到着後に食べるが、この日は歩いている途中で食べたので、食い過ぎかつ飲み過ぎのため、歩く速度が鈍る。すれ違う車にクラクションを鳴らされたので道を間違えたかと思ったら、車から降りてきたおじさんが私の写真を撮らせてとのこと。巡礼者の写真を撮っているのか?ついでにこちらもおじさんの写真を撮る。今考えると、歩いている人間にクラクションを鳴らして止めて写真を撮るのはいかがなものかと思うが、その時はなんだか嬉しかった。

途中に主要都市までの距離を示す立札があり、サンチャゴまでは215キロで、残り約1/4である。

16時にナビアにあるアルベルゲに到着。ナビアは川沿いの坂道に広がる街で、ちょうど良い規模の美しい街。乾燥機が2ユーロと安いので使おうとしたら、何故か手洗いした衣類はダメとのこと。外に干したが、夜に小雨が降る前にオスタビレロが室内に移動してくれた。



何でも教えてくれるオスタビレロにシードラが飲める店と明日の休憩場所を聞くと、両方とも完璧に教えてくれた。昼にかなり食べたのでお腹は空いていないが、アストゥリア州はシードルが有名で一度飲んでみたかった。値段も安いようなのでおすすめされたバルに行こうと思っていたが、雨が降り始めたので、干してあるカッパを着て外出するのが億劫になったので残念ながら諦めた。
Naviaの宿(2025年6月11日泊)
San Roque Hostel ☆☆☆☆(個人的評価)
・€15
・ドミトリー、2段ベッド、外干しOK
Buen Caminoの口コミでもトップクラスの評判の良いアルベルゲ。広い建物の1階に2段ベッドが並び、入り口のロビーに深夜以外常駐しているオスタビレロが非常に親切。WhatAppで予約すると、聞いてもいないのに当日のルートで昼食や休憩できる地域を教えてくれた。宿泊当日も、翌日の休憩場所やおすすめのレストランなど教えてくれた。場所も町の入り口の坂道の途中にありレストランや街の中心にも近い。唯一の欠点は広い部屋に2段ベッドが並んでおり、ベッドにカーテンは無いので、少々落ち着かない所。
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