クマ鈴を借りて峠を越える。
紀勢荘を出発。おかみさんが火打石で切り火をしていただく。時代劇や昔のドラマで見るが、やられたのは初めて。仕事で泊まっていた同宿の二人も車で出かける所だったが、おかみさんが、この人は歩いて伊勢路廻っているのと話すと、気をつけてくださーいとお声がけいただく。なかなか良い朝である。
2時間ほど歩き、大内山駅の脇の休憩所でトイレと小休憩。
新宮まであと106キロなので、64キロ歩いたことになる。
大津を過ぎると道は二つに分かれており、この先はツヅラト峠ルートと荷坂峠ルートがある。ツヅラト峠では8月に女性がツキノワグマに襲われて重傷を負ったので迷わず荷坂峠を選ぶ。荷坂峠の登り口にはレンタルのクマ鈴が置いてあり、自分の鈴より大きな音がするので借用する。
それほどの坂ではないが結構山深い中を歩く。途中で何度か明治道と江戸道に分かれているが、幅の広い明治道の方を歩いた。
無事に峠を抜けて、片上池の辺りにある道の駅マンボウで昼食。名物のマンボウ料理などもあるが、眺めの良いテラスで軽食ですます。今日は比較的短い行程で、このままだと宿のチェックイン時間よりもかなり早く着いてしまうので、池のほとりのベンチでしばらく時間をつぶす。
道の駅を過ぎて紀伊長島の駅や港を通る。なんとなくもっと大きな町かと思っていたが、そうでもなかった。
紀伊長島の先、今日の宿がある古里への間は再び一石峠があるが、ちょうど峠を避けるトンネルを発見したので、そちらを行くことに。江の浦トンネル(旧長島隧道)は100年以上前に作られた登録有形文化財だそうだ。中は真っ暗なのでライトをつけて進む。
トンネルを抜けると古里の海が見えてくる。
今日の宿である「浜辺の宿さざなみ」に到着。ここはAirbnb経由で予約した。キャンセルがあったそうで今日の宿泊客は私一人。結局、この三日間で伊勢路を歩いている人には宿でも途中の道でも一人も会わなかった。
宿は素泊まりなので、歩いて3分ほどのお食事処秀へ。ネットでも評判良さそうな店である。アジフライと刺身がセットになったおすすめ定食を食す。評判通り美味しかった。
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