雨の中、伊勢神宮を出発
3月から4月にかけて四国八十八か所を歩き遍路し、次は久しぶりにスペインのサンチャゴ巡礼をしようかと思ったが、我が家の17歳になる愛犬の具合が思わしくなく、予定を決めかねていた。愛犬も10月10日に天寿を全うしたので、その供養も兼ねてまだ行ったことのない熊野古道を行脚することにした、
熊野古道には大辺路、中辺路、小辺路などいくつかのルートがあるが、伊勢神宮には子供の頃以来行っていないこと、紀伊路に次いで長いルートであることから伊勢路を歩くことにした。伊勢神宮内宮から始まる伊勢路を熊野速玉神社まで歩き、熊野三山の残りの二つである熊野那智神社と熊野本宮神社を最もメジャーなルートである中辺路を歩いて廻り、田辺まで行く予定である。
東京から伊勢神宮まではいくつかの深夜バスが出ているが多くは4列シートであるが、家から近い立川に寄るバスは3列シートであるので、少し高い(と言っても8,500円)が、西武観光のバスで行くことにした。立川駅を10時45分に出て伊勢市駅に翌7時15分に到着予定と8時間半の行程である。座席は3列なので席は孤立しておりカーテンでプライバシーも守れる。リクライニングもかなり倒すことができて本来快適なのだが、イビキのすごい人がいたりで、あまり眠れなかった。途中2回サービスエリアに寄り、予定より早く7時頃に雨の伊勢市駅に到着。
伊勢神宮は大きく外宮と内宮に分かれており4キロほど離れている。伊勢路は東にある内宮から始まるのだが、内宮付近にこの夜行バスは止まらない。そこで外宮近くの伊勢市駅で深夜バスを降りて、路線バスで内宮に移動した。
多分50年ぶりくらいに訪れた伊勢神宮。他の神社と異なり自然に囲まれた広い敷地の中に古代の建築物が散在している。
熊野古道はサンチャゴ巡礼路と並んで世界に二つしかない「道」の世界遺産であるが、両方の道を
内宮を出て外宮に向かうとすぐに約50軒の店が連なるおかげ横丁に出る。まだ朝早いため、ほとんどの店が閉まっている。
おかげ横丁を出て少し歩くと、右に猿田彦神社。
さらに歩くと伊勢古市参宮街道資料館がある。無料だが、先を急ぐため入館せず。
内宮から1時間ほど歩いて、外宮に到着。
外宮を出たところで雨が強くなり、ポンチョを着る。外宮を出て30分ほどで宮川にかかる渡会橋を渡る。渡った後で左に曲がるべきところを広い県道をまっすぐ行ってしまう。初日は熊野古道の標識に慣れていないため、何度か標識を見落としてしまった。距離は変わらないし、県道の方が昼食用の店が多いので、そのまま進む。
お昼はせっかくなので伊勢うどんを食べようと思っていたが、狙っていた店は臨時休業のよう。代わりにサガミというチェーン店でカレーうどんと小天丼のセットを食べる。コスパも良く美味しかった。
店を出てしばらく歩き、田丸の駅前を通過。駅前には昔の巡礼者のモニュメントがある。
田丸から2時間ほど歩くと女鬼峠がある。伊勢路では大体1日に平均一ヶ所の峠がある。ここで問題は、最近伊勢路の峠付近では熊の目撃情報が多く、8月にはこの先のツヅラト峠の入り口で女性がくまに襲われて負傷していること。実は出発前に熊よけの鈴が家で見当たらず近所の100円ショップを何軒か廻ったが大型店ではないので見当たらず、スポーツ用品店に行くのも面倒だったので、小さな鈴やアクセサリーで歩いているとある程度音が鳴るようにしていたが、心許無いのでスマホで音楽を最大音量流して峠を越える。
16時頃に初めてゴールの新宮までの距離を示す標識を見る。内宮から新宮までは170キロあるが、この後4キロくらい歩いたので今日は30キロ弱くらい歩いたことになる。久々のロングウォークだったが足に異常なし、荷物も6キロに抑えたせいか四国お遍路の時に比べると肩も全然楽だった。
16時50分頃、本日の宿である旅館岡島屋に到着。泊まり客は私1人だったが、ご主人はいろいろ話しかけてくれ、料理も美味しかった。
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