海岸沿いを歩き、伊勢路の終着点へ到着
伊勢路のこの先は長めの峠もいくつかあり、ちょっと熊に遭遇するのが嫌だったので、熊野市まで電車でワープすることにする。古里には駅が無いのでバスで先の駅まで移動しようと思っていたが、宿の女主人が最寄りの駅まで車で送ってくれるというので、7時前と朝早い時間だったがお言葉に甘えて三野瀬駅まで送っていただく。
熊野市駅で降りるとすぐ先は海だった。
海辺の堤防と歩道をしばらく歩くと、この旅で初めて歩いている旅人を見る(格好からして通しで歩いているわけではなさそうだが)。続いてすぐ中華系の中年カップルも見かける。何故か橋幸夫の潮来笠を大音量で流している。あまり関わりたくなかったので会釈だけして追い抜く。
11時前に道の駅パーク七里御浜に到着。昼食には少し早いが朝食は軽くすましたので、こちらで昼休みとする。少し変わった道の駅で、メインはスーパーや飲食店などが入っているご馳走ダイニングという建物で、土地の名産品はちょこっと売っているだけだった。肉屋のメンチが美味しそうだったので、それと合いそうなサンドイッチをスーパで買い、イートインコーナーで昼食。
道の駅を出ると新宮まで残り10キロ。この先は丘陵地に上がっていく。この辺りは細く分かりずらい道のため、あちこちの道路に道標が埋め込まれており、ありがたい。
2時間ちょっと歩くと熊野川に出る。熊野大橋を渡り和歌山県に突入。昨年作成したBucket List(死ぬまでにやりたいことリスト)の一つに全都道府県制覇を挙げたが、これで残りは4県になった。
熊野大橋を渡ると新宮の町。少し歩いて右に曲がると熊野三山の一つである熊野速玉大社が正面に見えてくる。思ったよりコンパクトな神社で、隣には新宮出身の佐藤春夫記念館があるが、建物リニューアル・移転のため、休館中のよう。
新宮の町は思ったより小さく、ストレートに言うと寂れている。ここは中上健次の出身地でもあり小説の舞台にもなっているが、市内にある中上健次の言う「路地」は様変わりしているようで聖地巡礼はやめておいた。今日は新宮駅に近い格安のビジネスホテル泊。駅前の観光案内所で熊野古道の世界遺産登録20周年のアクセサリー(サンチャゴ巡礼のシンボルのホタテ貝に模したもの)が売っていたので購入。サンチャゴ巡礼のホタテ貝、四国のお遍路のアクセサリーと一緒にザックに付ける。あまり良さげな飲食店もなさそうだったので、コンビニでつまみを買ってホテルの部屋で晩酌する。
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