鉄道をプチ利用。小雨の中を世界遺産のお膝元の街へ
同宿の中年女性3人は6時頃からごそごそし始めて6時半に出発した。今日は北の道で唯一の鉄道利用区間で、歩くと川沿いに迂回してかなりの遠廻りになるので大半の人は1区間のみ鉄道を利用するようだ。アルベルゲの壁に時刻表が貼っており、宿の目の前の駅から7時59分の電車に乗る予定。その前に宿併説のレストランで食事をしたいが、何時に開くかわからない。レストランのそばでタバコを吸っていたら、こちらの気持ちを察したか、中年のカミーノが7時半からだと教えてくれる。荷造りを終えて再び外に出ると7時20分にレストランが開いたので、作り置きで硬めのトルティーヤとコンラチェで朝食をとる。早めに駅に着くと後から5人の巡礼が来る。無人駅ホームの自動販売機で切符を買おうとしているが専用のカードが必要なのか苦戦している。2分間の乗車で検札も来ないだろうから私は早々に無賃乗車を決め込んだが、彼らは降りた駅でも自動販売機を相手に苦戦している。ヨーロッパの巡礼はみな真面目なんですね。後から知ったが、ヨーロッパの鉄道では無賃乗車は高額な罰金を取られるからのようだ。



今日の道は終日平地で、天気は小雨。幹線道路沿いが多く、早く着きそうなので歩くのに気合いが入らない。やはり天気が良く、舗装されてなく適度にアップダウンがあるコースの方が楽しいし、時間の長さを忘れさせてくれる。途中の道では日曜日なので少ない店は空いている所が無く、11時前にやっと空いているバルに入りカフェコンラチェを飲んでトイレを済ます。
早くも12時過ぎにに町に着いてしまう。ここは教科書にも出てくる壁画で有名なアルタミラ洞窟のそばで観光客が多く、お土産物屋やレストランが多い。観光地のせいか日曜日でも多くのレストランが開いている。その一つに入り、定食でボロネーゼ、豚の頬肉の煮込みのフライドポテト添え、赤ワインを頼む。ワインはグラス一杯のみのようで残念。見たことのある同年代のドイツ人巡礼が同席していいかと尋ねて来る。エンジニアで日本にもよく来るそうで日本のことやドイツの電気事情など雑談する。ビルバオから歩き始めて6月17日のサンチャゴ着を目指しており私より早い1日35キロくらいのハイペースで歩いているようなのでもう会えないかな。写真を撮りあって別れる。昨日のフランス人の子といい、日本人のファーストネーム(特に私の名前)は難しいようで、伝えるとすぐに覚えることを断念されるので、English Nameを考えて使うようにした方がいいかもしれない。



ドイツ人と会話したのでチェックインの14時までいい暇つぶしになった。アルタミラ洞窟には歩いてもいける距離だが、公開している壁画はイミテーションだし、巡礼をしているとあまり観光に行く気分になれないので、ホテルに向かう。ホテル・ロサンゼルスと名前は立派だがやや古くふつうのホテルに着くと、受付のおじさんもこんにちはと日本語で挨拶してくれた。日本の話題をするなど愛想がいい。昼のボリュームあったので夜は軽くすまそうと近くの惣菜屋に偵察行くも惣菜はなし。ホテルのレストランも評判悪そうなので、ウイスキーのミニボトルとピスタチオの残りを夕食代わりとする。


Santillana del Marの宿(2025年6月1日宿泊)
Hotel Los Angels ☆☆☆1/2
・€45(朝食付き)
・個室(バス・トイレ付き)
受付、レストランともにおじさんが親切。朝食は豪華で食事時間も希望を聞いてくれる。観光地であるホテル街の一角にあり、レストランも近くに多くある。
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