祭りのあとはポートワインとファドを満喫
昨日は祭りで夜更かししたので、遅めに9時に宿を出る。祭りの名残りで道にはゴミが散乱している。朝早いので空いているかと思って、昨日入らなかったリロ書店に行くも、残念ながら今日は休みだった。今日はポルト最後の晩なのでポルトガル民族歌謡のファドを聴きに行こうと思い、IさんとAさんを誘いネットで予約して18時からのファドを見ることにする。


河畔に行く途中でバッタリIさんに会う。一緒に河畔まで歩き、13時に対岸の市場で昼食を一緒することにした。昨日市内のひと通りの見どころを見たので最初はドウロ川のクルーズに乗ろうかと思っていたが、今日は曇りで景色も今ひとつなので、橋を渡って対岸にあるワイナリーに行くことにした。いくつかあるワイナリーの中で橋に一番近いCaves Calemに入ると予約無しでも参加でき、€22で試飲3杯が付くコースを申し込む。ポルトガル語、スペイン語、英語のコースがあったが、私は英語のコースに参加した。最初は各自で展示物を見て、その後10人ほどでポートワインの歴史や製造過程などの説明を受ける。最後に試飲コーナーに行っていくつかあるポートワインの中から3つを選んで試飲する。ポートワインはポルトガル北部のドウロ川流域で製造されるワインで、発酵途中にブランデーなどのアルコールを加えて発酵を止めることで、アルコール度数を19〜22%に高めている。度数が高く甘口なので食後にデザートと飲むのに合いそうだが、普通に飲んでも十分美味しかった。


ワイナリーから3分ほど歩いてベイラ・リオ市場でIさんと落ち合う。ここは市場という名前だが1Fがフードコートになっている。10軒ほどある店の中からビュッフェの店を選んで意地汚くプレート一杯に料理を乗せてテラスでIさんと昼食を取る。



その後Iさんといったん別れて川沿いのワイナリー通りを歩いていると大きめのお土産屋があった。荷物になるのでスペインではお土産はまったく買わなかったので、ここでまとめて買うことにする。売っている物はタイル関連、Tシャツなど衣料関連、お菓子、サッカー関連など街中の店と変わらないが品揃えはこの店は豊富である。鰯、雄鶏、梟など現地にちなんだキャラクターがデザインされた鍋敷き、タオル、Tシャツなどを中心に大人買いをする。



宿に戻って洗濯をする。室内だとなかなか乾かないので、近くのコインランドリーで乾燥機にかける。そうこうしているとファドが始まる18時まで1時間しかない。ポルトは徒歩圏内に見所が集中しており、昨日見所をあらかた廻ったので今日は時間を持てあますかと思ったが、思いのほか時間が潰れた。ドン・ルイス1世橋上層の北側にあるライブハウスに集合し3人でファドを鑑賞する。ポートワイン1杯付きで2人の女性がボーカル交互に1時間ほど歌ってくれた。ファドはちあきなおみの歌を聞いたことがあるくらいで、生で聞くのはもちろん初めてだったが情緒ある歌も生ギターも良かった。



ライブハウスを出て夕食の店を探す。お土産屋を覗いたりしたこともあるが1時間ほどうろついても店がなかなか決まらない。やっと決めた店は高そうだったが、他の二人は店に入ってメニューを見てからそれに気づく。仕方なく少なめの種類の料理をシェアした。一人ならもっと早く良さげの店を探せるのに、こういうところが団体行動のマイナスなんだよなと少し思う。しかしながら、祭りやファド、特に祭りは1人ではここまで楽しめなかったと思うので、お二人に感謝しつつ店の前で別れる。初めてのポルトガル経験だったポルト滞在は、美しい名所が多く、食事も美味く、何よりも偶然にも聖ジョアン祭を満喫できて、素晴らしい滞在となった。
翌朝、38日間滞在したイベリア半島に別れを告げて、ポルト国際空港からイスタンブールへストップオーバー。2日間イスタンブールを堪能し、成田へ向かった。イスタンブールはブルーモスクをはじめ見どころの多い大観光都市で、世界三大料理の一つであるトルコ料理は何を食べても味付けがちゃんとして美味しく、初めて訪れたイスラム国家の人々はとても親切だった。



<最後に>
北の道を1日平均30キロほどの道を7キロくらいのザックを担いで歩き続けたが、幸い足はマメもできず疲れもほとんど感じなかった。むしろ肩の痛みの方が気になったがそれもさほどでは無かった。きつかったのは、歩いている時や宿で感じる孤独感と退屈である。北の道の景色は素晴らしいが、言ってしまえば同じような景色が続くので何時間も歩いていると正直退屈を感じることも多い。車道と分かれている歩道はほとんど無いので知らない道イヤホンで音楽を聞くのも危険なので連れがいないと黙々と歩くことになる。かといって性格上長く人と一緒にいるのも疲れるし、英語はある程度話せるとは言え長く一緒にいるとだんだん話すことも無くなる。カミーノで多いのはスペイン人、フランス人、ドイツ人、イタリア人などだが皆英語Natveでない国なので、どうしても母国語が同じグループで固まりがちである。それらの言語や英語Nativeでなく文化も近い日本人、韓国人、台湾人はわりと溶け込みやすいが、北の道にはほとんどそれらの国の人はいなかった。他のブログを見ると英語があまり話せなくても外国人のグループに溶け込んで楽しんでいる陽キャの人はこういう旅では羨ましく感じる。
また、スペイン料理は外れは少ないが同じような料理が多く、スーパーにはそのまま食べられるおかずは少ないので、だんだん飽きてくる。北の道では大きな街は少なく中華料理や日本料理を食べる機会も限られる。そういう意味ではもう少し自炊をすれば楽しめたかもしれない。
このようにホームシック気味になることもあったが、それでも美しい海岸沿いを歩き、色々な宿で人と交流し、美味しいスペイン料理(特にビルバオやサンセバスチャン)を食べ、最後にサンチャゴやポルトで日本人仲間とゴールや祭りを楽しめたことは素晴らしい経験だった。
若い時はいつまでも旅をしていたいという気分が持続していたが、最近は旅に出ると日本や自宅の良さを感じて帰りたい気分になることも多い。だけど日本に帰ってしばらくいるとまた出かけたくなっちゃうんですよね。

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