峠を越えて愛媛県へ
フランス人とともに6時に朝食。もう1人は6時30分に朝食開始でもう1人は朝食なし。朝食前の5時20分頃に宿を出たところにある喫煙コーナーでタバコを吸っていると朝食無しの短パンの人が出てくる。歩くのが遅いので毎日朝食無しで早く出発しているそうだ。この人にはこの後何度も会うことになる。
愛媛との境界である松尾大師跡は急坂の松尾峠にある。峠の入り口には下の写真のとおりの小学生たちが買いた激励の文と絵があり、坂の途中にも色々な激励文と絵があり励まされる。
急な登りに苦労しているフランス人女性におはようと言うが返答無し。その前を歩いていたご主人に挨拶すると返事あり。追い越すと、私のザックのホタテ貝を見てカミーノと声かけられる。彼のザックにもホタテ貝。お互いブエンカミーノ!(よい巡礼を!)と言って別れる。
峠を越えると高知県が終わり愛媛県である。ただ、ここから愛媛県とわかるような被写体が無いのが残念。山道からは御荘湾の綺麗な海が見えてくる。高知と違って穏やかな海。
お遍路TIPS)それぞれの県の魅力
徳島県(発心の道場)
1番礼所から歩き出す場合に最初に歩く県である。一部の地域を除くと幹線道路でない田舎道を歩くことが多く、そういう意味でもお遍路らしい道のりを体験できる。通常だと最初の二日間で11の礼所を廻って様々な礼所を体験し、その後に2つの遍路ころがしを体験、終盤は太平洋に出て海辺のお遍路歩きを体験できる。良くも悪くも4県で一番の田舎であり、のんびりとした遍路歩きができる。
高知県(修行の道場)
海沿いの道が多く、礼所の数の割に歩く距離は長く、最も長い日数を高知で過ごすことになる。雄大な太平洋沿いの道を歩くのは爽快で海は美しいが、その長さに退屈を感じることもある。高知市以外は基本田舎で、飲食店やコンビニは少ないが道の駅は多い。春の旅ではほとんどの宿で鰹を食すことができる。標高の高い寺は少なく遍路ころがしは無いので、高知で歩き遍路のペースを確立できる。
愛媛県(菩提の道場)
宇和島までは峠も多いお遍路らしい道が続き、卯之町、大洲、内子といった風情のあるが人通りの多い地域を通り、久万高原を登って下ってから松山へ。その後の瀬戸内沿いの道は交通量が多く同じ海沿いでも高知と違う喧騒がある。終盤には高地にある横峰寺、雲辺寺の遍路ころがしを経験でき、四県のなかで最もバラエティに富んだ遍路歩きができると言えるかもしれない。一番栄えている県であり、山道以外はお店も多く不自由はしないが大洲あたりからはチェーン店も増えて退屈な道も多い。
香川県(涅槃の道場)
観音寺、善通寺という風情のある寺社まちで始まる(足を伸ばせば金比羅山にも行ける)。その後、五色台の山登り、山下りを経て高松に出れば残りは1.5日。22の礼所があるが5日半で廻れるので、歩く距離は一番短い。何といってもうどん屋はあちこちにあり、うどん屋巡りができる楽しみがある。クライマックスは女体山の岩登りを経て、大窪寺で感激の結願を迎えることができる。
急な山道なので、峠の入り口には無料レンタルの竹製杖が置いてある。
14時前に40番礼所観自在寺に到着。朝早く出た短パンの人の姿も見える。
観自在寺を14時に出る。2キロ先の宿の途中のファミマで夕食、明日の朝食、酒を買う。暑いので店の外でビール飲んで少し時間をつぶす。
15時ちょうどに本日の宿である民宿磯屋に到着。おばあさん1人でやっておりコロナ禍から食事やめたとのこと。まず居間に案内されてお婆さんと雑談するのがこちらのシステム(?)。大変お話し好きで、東京にいる娘さんや亡くなった父親のこと、お互いヤクルトのファンであることなどの話をする。宿泊者のサインが並ぶ宿帳も見せてもらったが、最近は外国人が多いとのこと。お接待で洗濯もしていただいた。部屋は2階の一室で、隣からイビキが聞こえそうだが、この日の客は私一人だった。もう1人予約が入っているがなかなか来ず、お婆さんの勘ではもう来ないのではとのこと。確かに来なかった。時々、連絡無く来ない人がいるようだ。部屋でコンビニ食で晩酌する。
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